家事の分担

仕事から帰ったら、疲れて家事など手伝えない日本の男性に比べて、欧米人の旦那さまは、家事を良く手伝ってくれると言われています。 実際には、彼らは一体どのくらい助けてくれるのでしょうか。

 現代のイギリスの男性は、実によく家のことを手伝ってくれます。 なぜ「現代の」という条件がついているかというと、80代くらいの世代の男性は、ちょうど昔の日本のように、お料理からアイロンから、家のことは女性がやるのが基本だ、と思っている人が多いように思うからなのです。 

 とはいえ、そんな彼らでも、何かしらのお手伝いはしているようで、私が以前、当時80歳過ぎの伯父の家に遊びに行ったときには、伯父は大体椅子に座ったきりで、お茶の準備から食事の仕度まで、同じように年老いた伯母にさせていましたが、それでも食後には伯父が重い腰を上げて彼専用の大きなゴム手袋をつけて、せっせと洗い物をしているのを見て、微笑ましく思ったものです。

 どうも、男性が積極的に家事に協力するようになったのは今の50代前後からのようで、それゆえ彼らは一時、「The New Man」と呼ばれていたことがありました。

夫がしてくれること

 私の家のことになりますが、夫がしてくれることには、朝の紅茶を淹れることから始まり、犬と猫のえさやり、食材のお買い物、テーブルの準備、お皿洗い、また木のテーブルにワックスをかけたり、台所の洗い場を磨いたり、、、と、延々続きます。 

 彼が特にマメなのか私がずば抜けて怠惰なのかわかりませんが、私が里帰り直後だったり、体調が悪かったりすると、これにお洗濯や、食事やデザートの準備まで加わり、また、家で食事会があるときには、彼が掃除機をかけ、部屋の中を整えて、花を生けた上で、「全部君がやったことにしておきなさい」と言ってくれるのです。 

 唯一、私が担当の食事作りでも、必ず「何かお手伝いできることない?」と一声かけてくれて、本当にありがたいとは思うのですが、亭主関白の、典型的日本家庭に育った私には却って申し訳なく、落ち着かないくらいなので、時々我慢できなくなって「ここは私に任せて、アナタはお茶飲んで、新聞でも読んでいて!」と、彼を無理やりソファに座らせなければならないほどです。

 私の友人夫婦には、奥さまは食事担当、旦那さまはお掃除担当、という方たちもいらっしゃいますし、その他の家庭を見ても、大抵の場合、旦那さまがお茶を淹れてくれたり、お皿洗いをしてくれたりと、何かしらの家事を手伝ってくださっているように見受けられます。 

 飲み物は男性が準備するのが伝統のイギリスでは、パーティーの席でも、家庭の中でも、男性がせっせと飲み物の調達をしていますし、ローストビーフのような塊りのお肉料理を出すときには、男性がカービング(お肉を削ぎ切りしてよそうこと)をするというのも決まりのようです。 また、彼らは子育てにも積極的で、オムツ換えからお風呂に入れること、それから夜中のミルク上げまで手伝うことも、珍しくありません。

 もちろん、根っからの怠け者で、せいぜい週に一回芝刈りする程度で、あとは何にもしない、というイギリス人男性がいることもたまに耳にしますが、それでもやはり、日本の男性とイギリス人男性とでは、家事の協力に対する考え方が根本的に違うのではないでしょうか。 

 日本では、「男は1日外で働いてくるのだから、家ではゆっくりさせてくれ」という考えがありますが、イギリス人は「奥さんは(専業主婦の場合)1日家事をして疲れているから、男が仕事から帰ったら手伝うのは当然」という考えの方が主流のようです。

 食事の際には、失敗作が出されない限り「美味しいよ、ありがとう」と言ってくれて、Yシャツにアイロンをかけて置いておけば、「どうもありがとう」の一言を言ってくれる、「妻として当然の役目」をしているだけで感謝してくれて、それでいて嫌な顔一つせず進んで家事を手伝ってくれるイギリス人男性には、日本人は驚かされるばかりです。 

 しかし、そんな彼らでも離婚率が非常に高い原因は、「男が家事を手伝うのは当たり前!」というイギリス人女性の姿勢と無関係でもないでしょう。 そう考えると、せっせと女性に尽くすイギリス人男性と、「そんなことまでしてくれて、本当にありがとう!」と心から感謝できる日本人女性との相性がいいというのも、私には納得がいくのです。

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