国際結婚の必要手続き

日本で結婚する場合には、役所に婚姻届を提出することが必要です。 では、国際結婚の場合、一体どこから手をつけたらよいのでしょうか。

 まず、イギリスでは、「結婚」に二つの方法があります。 一つは教会にて宗教上の式を挙げる(*宗教によっては、以下に続く役所の手続きも必要)方法、もう一つは市町村の結婚登記所や、許可を得たレストランやホテルなどで、結婚登記官立会いのもと式を挙げる、というものです。

 私は、二つ目のホテルレストランにて式を挙げるという方法を取りましたので、まず神父さんの前で誓いを立て、指輪交換を終えた後に、席に着いて、キチンと正装した二人の登記官に見守られながら婚姻手続きに署名をする、という形になりました。 

 この際、二名の証人も必要で、夫と私それぞれの兄弟が同じように書類に署名をしに来たため、狭いテーブルの辺りがやけに人で混み合って、(これだけの人を巻き込んだ上での結婚か)と、事の大きさをやけに強く感じたのを思い出します。 

 ちなみに、ここで登記が終わることで、婚姻証明書(=marriage certificate)が発行されることになるのですが、この婚姻証明書は、私たち外国人がイギリスで銀行口座を開くときなどに提示を求められる大事な書類となります。 

 これは、必要に応じて手書きのコピーを発行してもらうのですが、私の兄はどういう訳か署名を日本語で行ってしまったため、私が受け取る婚姻証明書のコピーからは、兄の名前の漢字を必死で真似しようとするイギリス人担当者の苦労が垣間見えて、それを目にする度に、あぁ悪いことをしたな、と思わされています。

イギリスでの必要手続きが終わったら

 さて、イギリスでの手続きが終わったら、今度は婚姻証明書二通とその和訳(同じ二通)を持って、日本の役所に婚姻届を提出しなければなりません。 この際必要な書類は婚姻証明書だけでなく、日本人の戸籍謄本(抄本)二通、イギリス人の出生証明書とその和訳二通、パスポートコピーとオリジナルなどとなります。

 それから、結婚後、日本人がイギリスに居住するとなると、それに向けて査証(ビザ)を取得する手続きも必要です。

 これが中々面倒で、まず必要書類(VAF2)を英国大使館のサイトからダウンロード・印刷した上で記入し、

  • 日本人のパスポートと、イギリス人のパスポート(又はそのコピー)
  • イギリス人配偶者によって書かれた「この日本人と英国内で居住したい」との旨の書かれた英国大使館宛の書面
  • 公的資金援助に頼らず英国内で夫婦として生活を営むことができるという財政証明書
  • 英国内に於ける居住地の証明
  • 戸籍謄本
  • 証明書写真二枚など

を、申請料£260(但し、日本円で支払う)と一緒に、現金書留小包にて郵送、あるいは大使館に直接提出すること、となっています(*書類によっては、弁護士事務所や公証人役場で認証を受ける必要あり。詳しくは、英国大使館の公式サイト参照)。 

 私たちは面接も必要でしたので、千代田区にある英国大使館に夫婦揃って正装し、緊張して出向きました。

 ここでは自分たちの婚姻が本物である(*英国永住ビザ取得目的でない)ということを信じてもらうのが重要であるため、念のため、上記の書類の他に、結婚式のときの写真や、お互い宛の手紙の束等も持って行きましたが、さすがにプライベートなものなので、手紙までは目を通されませんでした。 それどころか、夫の出る幕もなく、面接は淡々と終わり、比較的スムーズに配偶者ビザをもらえたのです。

 ただ、このビザもあくまで仮の物で、私のときには一年後、現在は24ヶ月後にイギリスのHome Officeにて永住許可(indefinite leave to remain)申請をしなければならず、そのときにも別途申請料がかかります。 これらの申請料は、数年に一度上がる傾向があり、現在は£500にまで跳ね上がっています。

補足

 また、こちらは補足となりますが、結婚前にイギリスと日本を行き来する場合にも、注意が必要です。 結婚前、私は観光ビザで年に何度もイギリスに入国していたため、遂に結婚直前にヒースローに着いてイミグレーションでパスポートのチェックを受けたときに、不審だという理由で止められる破目になったのです。 

 場所を移され、手帳の内容からポーチの中身まで、スーツケースの中身をくまなくチェックされたのですが、幸い、花嫁衣裳用の着物や、イギリスの家族からの「婚約おめでとう!」のカード等を所持していたため、結婚が理由だということをどうにか信じてもらえました。

 そのときチェックをした係の男性は、私の所持品を一つ一つ実に丁寧に扱って、「こんな美しい着物まで持って、幸せな結婚式前にこんなところで足止めを食らうなんて」と大変同情的で、別の係の女性に口添えしてくれたので、私はどうにかそのまま入国許可と、おまけに二週間滞在する許可までもらえました。

 しかし、通常ならばイギリスに着いたその足で即日本へとんぼ返りさせられるところだということで、実際私の横で同じように止められたアフリカ系の女性は、「今すぐ次の便で帰りなさい」と係の人にキツい口調で言われていたのです。

 準備の良い方は、私のような目に会わないために、婚約が済んでからイギリスと日本を行き来する場合、「婚約者ビザ(*半年間有効)」を申請・取得するということですが、実は、これを持っていてもまだ、イミグレーションで止められるときには止められてしまうらしいのです。

 要は、その日当たった係員さんの気分次第。こうなってしまうともう対策の練りようもなく、相手に良い印象を与えられるよう愛想良くすることくらいしかできませんが、こういった理不尽なことが日常的に起こるのが、イギリスという国なのです。 このことをまず否が応でも心得ておくのが、イギリスに住むと決めたときには必要なことでしょう。  

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